作品紹介「聞こえない青」【映像】
- Ai Takamura
- 2017年3月3日
- 読了時間: 3分
主催の高村です!本日は「ただいま、」で展示する作品の紹介です!
高校時代の僕の償いのような作品。 ----- No.4「聞こえない青」【映像】
夏の表現学部 南三陸プロジェクトの一環で制作された作品。2016年度の「南三陸映画祭」で上映された実験映画。
2011年3月11日に地震・津波の被害にあった南三陸。変わりゆく町、そして変わらない自然の中に、青い傘をさした白髪の人間「私」が不気味に歩き続ける。晴れている時でも傘をさし、歩き続ける「私」。見慣れた風景と見慣れない人間が南三陸に問いかける。

僕は 2013年から南三陸町にお世話になっています。5回は行ってるのかな。。。そのうちの3回は表現学部南三陸プロジェクトという学部の一環で行っています。例年宵祭りを行っていたのですが、今年は南三陸映画祭と大きくシフトチェンジ。
そこで上映させていただいたのが、この「聞こえない青」です。


南三陸をテーマにした映像はずーっと作りたいと考えていて、今回その夢がようやくかなったような感じです😌映画祭をするにあたって、僕が挑戦したのは実験映画でした。
南三陸の美しい風景(三陸の人にとってはいつもの景色)に、青い傘をさした白髪の人(とりあえず異質な何者でもない存在)が雨も降ってないのに傘をさしてただひたすら歩くだけの映画です。15分作品の中で14分くらい歩いてます(笑)
このころは青い傘に取り憑かれて作品作っていて、南三陸の風景を見た時に、すぐにこれだ!って思ったんですよね。先生や後輩2人と制作したのですが、なんせ突然頭に浮かんだだけの作品だったので、本当に説明するのが大変でした(汗)


僕が南三陸に生き続けているわけ。それは高校1年の時の僕の後悔があったからなんです。高校1年の時の僕は、吹奏楽にすごく没頭していて、その時は全国大会の出場が決まってました。
そんな時にあの3.11が起こったんです。僕は吹奏楽の練習中で、突然先生に「家に帰りなさい。もしかしたら全国大会できないかも。」と言われて、意味がわからず、無性に腹がたった記憶があります。でも、わけがわからないまま、自分が家に帰った時にテレビを見て驚愕しました。津波の映像です。
その後日が経つにつれて、あの震災のひどさがわかり、それと同時に何も知らないでいた自分をすごく恥じるようになりました。そんな時、大学のプロジェクトに入っていた「私大ネット36」に募集をし、実際に現地に行ったのです。
高知県も地震は他人事じゃありません。この数十年の間には必ずくるんです。
僕は現地に行って、3年経った被災地を見て、自分は被災後に役に立つクリエイターになろうとそう決心したのでした。同時にこの南三陸という土地で自分が何ができるのか、挑戦しようじゃないかということで、その翌年に参加したのが「表現学部南三陸プロジェクト」です。
「表現の力で、高知を地域を元気にしたい」
僕のこの目標の根源は、高知と南三陸にあるのです。
そんな南三陸の地で制作した実験映画「聞こえない青」は震災の被災者の方への追悼と、高校時代の僕の償いとして、3月11日に必ず上映する予定です。
そして2017年3月3日の今日、南三陸はまた新しい一歩を踏み出します。
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